入門講座

其の3
アスファルト基礎知識

アスファルトの種類や規格と試験

3-3現在のアスファルトの品質規格

現在では、改質アスファルトをはじめとして、用途に合わせた様々な種類の舗装用のアスファルトが開発されています。ここでは、その基本となる舗装用のストレートアスファルトとして、道路舗装用の品質規格について簡単に紹介します。日本の舗装用石油アスファルトの品質規格は、石油アスファルトのJIS規格(JIS K 2207)のうち道路用に適した等級の抜粋として設定されており、日本道路協会の「舗装設計施工指針」に示されています。目標とする性状と使用箇所の目安を表-3に示します。

表-3 舗装用石油アスファルトの規格と使用目的の目安

種 類 40~60 60~80 80~100 100~120
項 目
針入度(25℃) 1/10mm 40を超え
60以下
60を超え
80以下
80を超え
100以下
100を超え
120以下
軟化点 47.0~55.0 44.0~52.0 42.0~50.0 40.0~50.0
伸度(15℃) cm 10以上 100以上 100以上 100以上
トルエン可溶分 99.0以降 99.0以降 99.0以降 99.0以降
引火点 260以上 260以上 260以上 260以上
薄膜加熱質量変化率 0.6以下 0.6以下 0.6以下 0.6以下
薄膜加熱針入度残留率 58以上 55以上 50以上 50以上
蒸発後の針入度比 110以下 110以下 110以下 110以下
密度(15℃) g/cm³ 1.000以上 1.000以上 1.000以上 1.000以上
使用目的 一般地域用
(耐流動)
一般地域用
寒冷地用
(耐流動)
寒冷地用 寒冷地用
(低温クラック)

加納 孝志 (独立行政法人 土木研究所)