入門講座
アスファルト基礎知識
改質アスファルトのいろいろ
5-4ポリマー改質アスファルト(PMB)の作り方
ポリマー改質アスファルトとは、アスファルトにSBSに代表されるポリマーを添加して製造しています。ポリマーの種類や添加量、添加剤などの組み合わせによって様々な種類のポリマー改質アスファルトを作り分けています。
(1)SBSとは
ポリマー改質アスファルトの主な改質材として写真−1に示すSBS(スチレンブタジエン系熱可塑性エラストマー)が用いられています。このSBSは、常温でゴム弾性を示し、高温では熱可塑性樹脂と同様な可塑性を示す物質です。ポリマー改質アスファルト以外の用途としては、ゴム靴の靴底や粘着剤などに使われております。身近なところでは、消しゴムの原料としても使用されています。
(2)ポリマー改質アスファルトの製法
ポリマー改質アスファルトは、ベースとなるアスファルトに、SBSをはじめとする改質材を溶かし込んで作られています。このときに、改質材を均質に溶かしてゆくことが重要であり、ポリマー改質アスファルトの性能向上と品質確保に大きな影響を与えます。図はポリマー改質アスファルトの一般的な製造の流れを表しています。アスファルト中に添加したポリマーは、製造タンクや貯蔵タンクで均質に分散されます。ポリマー添加量が多くなるに従いポリマー改質アスファルトの主成分がアスファルトからポリマーへ転移してゆきます。このような状態のポリマー改質アスファルトは、均一にポリマーが分散することにより、その性能を引き出されます。それを評価する手法として、写真−2のような顕微鏡画像による状況観察が行われております。
焼山 明生 (日進化成㈱ 技術研究所開発グループ)
- 【参考文献】
- 中島滋夫「アスファルトの改質材SBSについて」改質アスファルト26号(2006)
- 森田 他「排水性舗装用高性能改質アスファルトの製造と管理の高度化」日本道路協会懸賞論文
- 5-1改質アスファルトとは?
- 5-2改質アスファルトの歴史と変遷
- 5-3改質アスファルトの種類
- 5-4ポリマー改質アスファルト(PMB)の作り方