入門講座

其の6
アスファルト基礎知識

道路に使われるアスファルト混合物

6-1アスファルト混合物とは?
(1)使用材料

アスファルト混合物とは、粗骨材、細骨材、フィラーおよびアスファルトを所定の割合で混合した材料です。2.36mmふるいにとどまる骨材を粗骨材、2.36mmふるいを通過して0.075mmふるいに止まる骨材を細骨材といいます。フィラーには、0.075mmふるいを通過する鉱物質粉末で、石灰岩を粉末にした石粉が最も一般に用いられます。フィラーには、アスファルトの見かけの粘度を高め、かつ骨材として混合物の空隙を充てんする働きがあります。

アスファルト混合物に使用される骨材

アスファルト混合物に使用される骨材

(2)加熱アスファルト混合物と常温アスファルト混合物

アスファルト混合物には、アスファルトおよび骨材を加熱してつくる加熱アスファルト混合物とアスファルト乳剤やカットバックアスファルトを常温で使用する常温アスファルト混合物があります。加熱アスファルト混合物は粗骨材、細骨材、フィラーおよびアスファルトを加熱状態で混合したアスファルト混合物です。常温アスファルト混合物は粗骨材、細骨材などをアスファルト乳剤などと常温で混合し、常温(100℃以下)で舗設できる混合物です。加熱アスファルト混合物に比べ、一般に耐久性はやや劣りますが、貯蔵もできるため、簡単な舗装材料あるいは補修材料などとして用いられます。

(3)再生骨材を利用した加熱アスファルト混合物

加熱アスファルト混合物には、新規骨材を使用したものとアスファルトコンクリート再生骨材を使用したものとがあります。アスファルトコンクリート再生骨材とは、アスファルトコンクリート発生材を破砕、分級したものです。再生加熱アスファルト混合物は、アスファルトコンクリート再生骨材を主体として、新アスファルト、再生用添加剤、補足材等を加える場合と、新しい材料を主体としてアスファルトコンクリート再生骨材を補足的に使用する場合、およびこれらの中間的な場合とがあります。

アスファルトコンクリート塊の再資源化率は98%以上にも達し、循環資源として広く普及しています。

【参考文献】
  1. 舗装施工便覧(平成18年版) (社)日本道路協会
  2. 舗装再生便覧(平成16年版) (社)日本道路協会
  3. 図解 土木講座 アスファルト混合物の知識(改訂3版) 技報堂出版株式会社